飛流直下三千尺 七夕の日の掛け軸でした
七夕の日にお茶のお稽古がありました。
とても素敵な掛け軸が掛かっていたので、ご紹介します。
望廬山瀑布 李白 全文
日照香炉生紫煙 日は香炉(こうろ)を照らして紫煙(しえん)を生ず
遥看瀑布挂前川 遥かに看(み)る瀑布(ばくふ)の前川(ぜんせん)に挂(か)かるを。
飛流直下三千尺 飛流直下(ひりゅうちょっか) 三千尺(さんぜんじゃく)
疑是銀河落九天 疑(うたご)うらくは是(こ)れ銀河の九天(きゅうてん)より落つるかと
口語訳
日本語訳を載せます。
日の光が香炉峰を照らすと、(そこには)紫のもやが立ち登る。
はるか遠く(山の中腹に)、滝が(まるで)長い川を掛け(たかのようにし)て流れ落ちているのが見える。
(その滝の)飛ぶように激しい水は、まっすぐ三千尺も下へと流れ落ちている。
あたかも天の川が天空から落ちかかるかのように思われることである。
写真入りの詳しい解説はこちらをご参照ください。
(マナペディアより)
飛流直下三千尺 掛け軸は3行目のみ
飛流直下三千丈
3行目が掛け軸になっていました。この言葉は禅の世界でも有名で、瀧直下三千丈とも書かれるそうです。
七夕は節句なので、お茶の席では重要です。季節の変わり目で入れ方もお道具も変わったりします。この掛け軸はどんな意味があるのだろうと楽しみでした。
毎回、その時の季節に因んだお道具が取り合わされ、途中で先生から種明かしして下さいます。
本当はその意図を察して、さりげなく気の利いた会話ができるのがベストですが、なかなかその域にはたどり着けません。
李白、杜甫→名前知ってる!レベルの、学のない私ですが、こうやって学べるのが大好きです。
意味するところは2つ
私の記憶で、ざっくり書きます。
滝が勢いよく流れる様子が涼しさも表すと同時に、(軸には書かれていないが)後に続く4行目が“天の川”に例えられているので今日のお軸にしました、とのことです。
何と天の川も書かれているとは!
文字通り滝の涼しさを感じるだけでも十分ですが、この漢詩全体を知っていると七夕に因んだ粋な計らいが汲み取れて、更に(心の中で)盛り上がれます。
大抵、文字通りの意味とその奥の意味と2つあり、2つ目を探すのが楽しい
もちろん分からなくても説明があるので大丈夫です。ただ、私知ってる!とばかりに知識をひけらかすのは野暮なので、あくまでさりげなく、です。
昔の千利休の頃は、武将同士で差し向かいでお茶を点てるようなとき、敵か味方かわからない相手などとは特にこういう心のやり取りが重要だったのだそうです。
深い世界で、相変わらず上達はしてませんがお茶の魅力どっぷりはまっています。
余談ですが1つ思い出しました。桃の節句のときにも書きましたが、今回も源泉所得税の納期の特例が重なっています。
【昨日の一日一新】
プッチーザ
チーズのスナック菓子。100個も入ってて嬉しかったです。
綾野 真紀
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